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『アイカツ!ミュージックアワードみんなで賞をもらっちゃいまSHOW!』

 

1.ストーリー・構成

 本作はライブを授賞式風に映す造りになっているので、劇場版第一弾のような純粋なストーリー系統ではない。ライブの間を埋める話も、強いて言えば珠璃がマラソンをしている(24時間TVもびっくりのショートカットあり)ぐらいで、ごく単純なものである。あくまで「授賞式」というスタイルに拘ったといったところか。

結局ライブ映画の場合、曲と曲の間を埋めるエピソードをどうするかというのが問題なわけで、その点からすると、授賞式という最もストーリー性の薄いものを選択した『アイカツ』は、逆に潔いといえる。色々場所移動を凝った『プリパラ』の映画は結局退屈だったことを思えば、これは正解だったろう。「世代交代」を前面に押し出した前作と違い、今作はとにかく音楽を楽しむ。そのぐらいの心づもりで行くのがよいだろう。言うまでもないかもしれないが。

 

 

2.楽曲

 圧倒的に3rdシーズンの曲が多い。曲自体はユニットカップあたりまでだが、そこまでの3期の曲はほとんど流れる。なので、「いちごジェネレーション」の曲目当てで観に行くと満足できないかもしれない。1期、2期の曲がまったくないわけではないが、全体として見ると、やはり多いとは言えない。本来のターゲット層の女の子にとって、今一番印象に残っているのは直近の楽曲であるはずで、1年や2年前の曲を熱心に聞き続けているのはやはり大人層であろうことを考えれば、これは当然の選択ではある。あと、あまり1期の曲を流すと、CGのクオリティに大きく差が出ることも容易に予測できるので、それもあって初期の曲は流していないのかもしれない。

 3期は大体網羅する形で流しているわけだが、1、2期は恐らくキャラクターを網羅しつつ、雰囲気が被らないように曲をチョイスしている。そのため「fashion check!」や「放課後ポニーテール」が採用され、どちらかといえばTVシリーズでの印象が強い(と僕が思っている)「Take Me Higher」あたりが選ばれていないのは、歌っているメンバーの調整の意味もあるのだろう。事実、『Trap of Love』や『Kira・pata・shining』といったソロ曲はまったくといってよいほど採用されていない。

 だから、この映画の前に1枚アイカツのCDを聴いていくならば、『Joyful Dance』ということになるだろう。ユニットカップ前後の楽曲をほぼ網羅しているミニアルバムで、収録曲のほとんどが映画に登場している。

 

3.CG、3D

 ある時期以来、何につけても3Dで、本当に意味あるのかという作品もかなりあるが、それでもこの映画は3Dの意味が大いにある作品だと思う。『アイカツ』の質の高いCGダンスが3Dで立体化したとき、劇場の大画面と相まって凄まじい臨場感を与えている。あかりたちが立体的に動いているのは、観ていて感無量と言わざるをえない。ただ、やはりというべきか、楽曲ごとで3D映えするものと、どちらかといえば普通のものには分かれる。恐らくカメラアングルの差から生じる問題なのだろうが、2人以上で歌っている曲のほうが奥行きを広めに取っていて、3Dにしたとき立体感が出やすいようにも思う。印象的だったのは、「Poppin’ Bubbles」や「Precious」、「ダイヤモンドハッピー」あたりだろうか。

 

4.ライブ映画について

 ここ最近、この手の楽曲をコンサートみたいに流していくものが増えたように思う。直近だけでも、『劇場版プリパラ』、『プリキュアオールスターズ 春のカーニバル』はこれに属する。知っている楽曲が迫力ある大画面で流れて盛り上がるというメリットを持ちつつ、それがメインとなるためストーリーが消失するという欠点というより構造上の限界も存在する。僕自身は一般的なスタイルの映画もやってほしい気もするが、『アイカツ』は曲も作品における重要な要素であるわけで、このジャンルに行き着くのは必然でもある。また、授賞式という形式で、あかりたちが司会を務めるというのも、アイドルものというジャンルを活かしているわけで無理があるものではない(その点、『プリキュア』と異なる)。 

なかなか作品として評価することは難しいし、音楽が流れていればそれでいいといったいい加減な気持ちでもいたくない(絶叫上映とやらはどうも好きになれない)。それでも、観ていてワクワクする感覚をこの映画はもたらしてくれるのだから、やはり成功と言っておきたいものだ。