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プリキュア555回放送に寄せて

 今日の放送でプリキュアが555回目の放送を迎えたそうだ。めでたい。『フレッシュ』あたりで250回とか言っていた気がするが、早いものだ。僕としてもプリキュアを555回も観ていると思うと感無量である(確実にそれ以上観ているが)。


 流石に12作もやっているとプリキュアというシリーズも随分変わってきている。そういう感覚が制作陣にもやはりあるのか、しばしば新シリーズが開始されるとき「原点回帰」と騒がれるときがある。しかし、この原点というのを『ふたりはプリキュア』だとするなら、今まで本当の意味で「原点回帰」した作品は一つもなかった。これは別に面白さがどうのという話ではなく、初代の雰囲気を受け継いでいるわけではなかったという話だ。当たり前だが、初期に変身するのが二人というだけで原点回帰とは言わない。


 ということもあり、「原点回帰」という言葉にいささか懐疑的だった僕だが、個人的に現在の『Go!プリンセスプリキュア』は12作目にして遂に原点回帰を果たしているように思う。ここで初代プリキュアについて詳しく述べる気はないが、『Go!プリンセス』は初代のエッセンスを継いでいると考えている。


 まず、大枠のストーリーを進める回ではない1話完結型のエピソードの洗練度が上がったように思う。自分としては香村純子さんが新たに加わっているのが大きいように感じるが、こういう単発のちょっとしたエピソードがとても面白い。元々プリキュアはそっちの面白さがメインで、大エピソード(ラスボス戦)とかはやるべきことをやるといったところだったのだが、いつぞやから伏線やらなにやらそっちが優先されて、明らかに日常回がイマイチになっていた。ストーリーを凝るのは良いことだとは思うのだが、どちらかといえば日常回の練度を上げるほうが本流なのかなとは思っている。


 日常回、という話でもう一つ挙げるなら、『Go!プリンセス』は近年稀なぐらい、「家族」をきちんと描いている。はるか、みなみ、きらり、それぞれの家族構成が明確で見て取れ、それの描写にきちんと話数を割いている。近年はプリキュアの数の増加ということもあり、家族の話をしなくても4クールもったところがあるので、『ハピネスチャージ』あたりだとめぐみの母親の病弱設定が途中でフェードアウトしたりしていた。やはり家族みたいなものを丁寧に描けるのは4クールものの強みなのだから、これからも頑張ってほしい。


 とまあ書いていると、『Go!プリンセス』が10数年も前の作品好きに受ける退行的作品と思われそうだが、決してそうではない。たとえば今回の放送で、「先代のプリキュア」という設定が出てきた。こういう「先代」概念を最初に持ち出したのはたぶん『ハートキャッチ』だったと思う。これによりぼんやりとした「伝説の戦士」の「伝説」が具体性を帯びる。僕はプリキュアを思春期の成長の過程の一つと捉えるというカビの生えた考えを今でも信じているところがあるので、これはあまり好きではないのだが(プリキュアが世界に認知されるよりはましだが)、それでも現在のシリーズにおいてこの設定がもう欠かせないものになりつつあることは間違いない。他にも追加戦士の展開など、この作品は決して「今」のプリキュアを等閑に付しているわけではない。


 故きを温ねて新しきを知る。大事なのは「新しい」ことを知ることだ。その意味で『Go!プリンセス』は、きちんと「原点回帰」をできているだろう。そんな思いと共に、555回放送を改めて言祝ぎたい。