アーカイブ

カテゴリ

アニメ

漫画

映画

小説

その他

 

『アイドルマスター シンデレラガールズ』2話

 正直な話をすれば、1話に比べてかなり観づらかった。原因と思われるのは、圧倒的人数の多さと、そこからくるある種の「アウェー感」だろうか。というわけで、今回はこの二つに絞って、第2話「I never seen such a beautiful castle」を見てみようと思う。


 結局のところ「人物紹介」に尽きるのであろう2話は、とにかくキャラが多い。もともと14人いるメインに加えて、プロダクションのそこここにモブとは思えないデザインのキャラがおり(たぶん往年のファンにはなじみ深いのだろう)、こちらとしては追っていくので精一杯だった。女の子のグループを描く作品に関しては、人数は5人+1人(比較的自由に動けるキャラ)が限度である、というのが僕の持論で、これを超すと誰かそれをまとめる視点を用意するか、グループを分割するかするしかない。そうなると14人はやはり多いのだ。そのため、どうしても、個々の描写は甘くなりがちで、キャラ設定の奇抜さばかりが目立った。掘り下げは、この先を待つ、といったところか。


 ただ、展開上2話がキャラ紹介にならざるを得ないことは明白であり、そのための対抗手段もとられている。それが、卯月、凛、未央の三人をセットにして、視点を彼女たちに絞るという手法だ。これにより、多数のキャラが登場しても、あまり軸がぶれないようになる。しかし、この手法をとるにあたって、本田未央というキャラクターが、今回に限っては足かせになったように思う。この手法をとる絶対の前提条件は、視点となる三人の関係がある程度以上に定まっていることだ。確かに、卯月と凛は、1話の見事な演出によって、共に夢を追いながら、夢を持つ者と夢を借りる者という関係が明確に示されており、問題はない。しかし、1話のラストに登場したのみの未央は、他の二人に比べてどうしても描写の積み重ねが薄いのだ。そのため、3人並んだときに、イマイチ3人の関係性が見えてこない。特に、未央は、どちらかといえば場をかき乱すタイプであり、3人という視点で見たとき、どうも浮いてしまうところがある。そのため、3人をセットにした視点が絶対のものになり得ず、結果として、筋が散漫になってしまっていることは否めないだろう。恐らく1話を経た2話への批判があるとすれば、「人数の多さ」より、こちらに原因があるとみるべきだろう。


 さて、ここまで考えたとき、『モバマス』に特に詳しくない人間が感じるのは、強烈な「アウェー感」だ。やたらキャラが出てきて追いきれないけど、ファンならキャラがわかって楽しいんだろうなあ。未央のキャラが掴めないけど、Pなら難なく理解できるんだろう。そういった、視聴者間の感覚の圧倒的隔たりが押し寄せてくるのだ。


 このとき、卯月、凛、未央の立ち位置が非常に重要な意味を持ってくる。2話における3人の位置は、正確にいえば卯月&未央と凛の二つに分けられる。卯月と未央は元々がアイドルに憧れているキャラクターであり、346プロで見かけるアイドルたちにも目を輝かせている。一方、凛は元があまりアイドルに興味のないキャラであることもあり、プロダクション内にいるアイドルが誰なのかほとんどわからない。彼女が見つけるのは、唯一、後に自分たちの仲間と判明する城ケ崎莉嘉のみである。


 卯月&未央と凛の間の認識の隔たりは、そのまま視聴者の間に開いた隔たりに重なる。凛が346プロのアイドルがわからないように、『モバマス』をよく知らない視聴者も登場するアイドルたちがよくわからないのだ。ここで、渋谷凛の視点に、この種の視聴者の視点が同調する。卯月&未央に対して凛が呟く「アイドル、多すぎない?」という言葉は、前者が象徴するモバマスPたちに対する新参の視聴者の思いでもある。


 そして、これはどこまで関係があるのかわからないが、2話における凛は、引きの構図で描かれているとき以外は、多くが画面の端に位置している。2話では卯月と未央と3人一緒に映ることが多いが、卯月と未央が真ん中を交代するのに対して、凛は徹底して端のポジションを変えない。下手をすれば見切れるすれすれの位置に常に立っている。演出という点を考えれば、まだ彼女がその場に溶け込めていないことを表すだろうし、先程の考えに従えば、「アウェー感」の表れともいえる。渋谷凛が意図せず端に寄ってしまうことは、新参の視聴者が強烈な「アウェー感」を抱いていることと重なる。


 自分も含め、アニメから入った視聴者には凛が人気だそうだ。そこにはキャラクター性の魅力以外にも、上で書いたような理由もあるのかもしれない。要するに、凛は新参と同じ視点でいてくれるのだ。2話のラストで、凛はライブ出演が決まったことに対して、「こんな簡単に決まっていいのかな?」と言っている。ある意味これは、2話の構成を見た新規視聴者の「これから観ていけるかな?」という不安の声にも聞こえる。多くのキャラクターがひしめくなかで、渋谷凛というキャラクターは、新規ファンにとっての道しるべとなっているのだ。


・補足

OP映像完成していたけれど、この部分の卯月の表情が、あまりアニメで見かけない新鮮で印象的だった。