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2014年アニメ総括

 大晦日でもあるので、今年観たアニメで印象的なのをピックアップしてみた。正直こんなに途中から観てないやつがあるとは思わなかった。完走って難しいんだね。ただまあ観てる本数自体はそう変わってないので、放送数が多すぎるのが悪い、と人のせいにしてみる(いやほんと今の本数はキツイっす)。

『キルラキル』 

 まぐろのようなアニメだと思う。つまり止まらず進み続けなければならないアニメということだ。それほどまでに勢いが凄まじい作品だった。理屈とか辻褄とかそっちのけで、1話ごとの推進力と、純然たるエンタメ力だけで攻めに攻めていた。キャラ一人一人もアクが強く、キャストの演技も熱がこもっていた。しかし、それだけにいざ終わってしまうと、一気に印象が薄れてしまうところがあり、「面白かった」という言葉だけで片付けてしまいそうになる。着地というのも難しいと思い知らされるアニメであった。

 

『ニセコイ』 

 キャラがかわいければ後はなんとかなる、という発想を地で行くジャンプ発のラブコメbyシャフトである。ぶっちゃけなんでシャフトが作ったのか今もってわからない。シャフトの演出陣は新房監督の意図の複製の複製ぐらいをしてるんだなあというのが、露骨な作品で、もはや意図もへったくれもなく機械的に新房テイストにしていて、背景とストーリーになんの関係もないという事態になっていた。ただ原作のキラキラしたところは全力で表現しており、そこは『ニセコイ』本来の楽しみ方なのかもな、とは思った。とはいえ、尺の関係で、本来なら『ニセコイ』の大部分を占める一話完結エピソードがバッサリとカットされてしまったのは痛かった。メインストーリーを進める上では問題ないのだが、肝心な雰囲気が損なわれてしまわないかと少し心配ではあった。

 

『ノラガミ』 

 冬クールは今まで感じたことがないほど、つまらない作品が多くて、絶望した記憶が鮮明にある。結局ぶちぶち切っていけば色々残ったのだが、そのなかでもまっとうに面白い作品だったのが、『ノラガミ』だったように思う。なんというか、情けない話今まで観てきた作品の文法で理解できる面白さだったのだ。僕なんかは『犬夜叉』&『コナン』の世代なので、こういう妖怪変化タイプの作品はまずもって好きなのだが、この作品はキャスティングが好きだった。というかど直球だった。特に感動したのは、豊崎愛生と釘宮理恵の使い方だった。釘宮はまあ最近色んな役をやっているから、よかったなあの一言なのだが、豊崎に関してはこういう凄惨さを滲ませたふんわりギャルやってほしいなあ、でもやんないんだよなあという役をやってくれて、感涙ものだった。展開も、序盤の小エピソードから、雪音のエピソードと進んで、最後は蠃蚌と夜卜の因縁に繋げていき、オーソドックスながら隙がない印象だった。

 

『ハマトラ』 

 「ミスった『PSYCHO-PASS』」と言い続けたけれど、特に修正の必要はないんじゃないかなと思う。1期は倫理観ガバガバの不謹慎ギャグが冴えわたっていたが、2期になると普通にストーリーを頑張ろうとしていて、『ハマトラ』の面白さがあんまり出ていない印象だった。どうせならもうちょいはじけた展開にすればよかったのに。

 

『ピンポン』 

 一般にクオリティは高ければ高いほど良いと思いがちだが、必ずしもそうは言えないということを思い知ったのが、『ピンポン』である。この作品の出来はよい、間違いなく良い。恐らく今年でもトップクラスだろう。しかしイマイチこのアニメの印象が薄いのは、偏にこの作品には隙がなさすぎるのだ。出来が良すぎて、こちらとしては「すごいなあ」という感想しか持てない。作品に入り込めないのだ。金閣寺を遠くから眺めている感覚に似ている。すごくはあっても、そこに住むことができないのだ。その点『四畳半』なんかは入り込む余地があった。世の中で名作として長い間親しまれる作品は、そういう突っ込む余地というか、入り込む隙間のある住居のようなアニメなのかもしれない。

 

『アルドノア・ゼロ』 

 最終回で少々株が下がったのだが、放送中楽しんだことを考えれば、入れておこうかなと思う。前にも書いたが、この作品に限って辻褄合わせにやたら細かい人がいたような印象がある。これは悪くて『ゆゆゆ』とかはいいというのはわりと納得がいかないけれど、まあそれはいいか。所謂「頭脳戦」というと大きい視野に立った「戦略戦」が多いが、本作はその戦闘ごとの「戦術戦」に主眼を置いていて、そこが興味深かった。ただ最後で露骨に『コードギアス』的な展開にしてしまったのは、やはり残念。2クール目どうなるのか、今は待つのみである。

 

『ハナヤマタ』 

 数年ぶりにきらら系列で観終わったことで感慨深い一作。内容自体も非常に面白かったと思う。ゆるい日常系というよりは、普通に青春奮闘もので、そういうのを期待していた人には期待外れなのかもしれない。そういうのを期待していなかった僕は随分楽しめた。キャラクターがいちいち可愛く、悩みや葛藤も等身大という感じで毎話毎話楽しみに観ていた。まあ軽音部とかの扱いはあまりにあまりではあったが。スタンプラリーに行ったのもいい思い出。

 

『グラスリップ』 

 世の中的には超失敗作みたいだけれど、面白いと思うんだけどなあ。ただ7話ぐらいまでは普通につまらないとは思う。『true tears』とかと違い、何をするかの軸が定まってなさ過ぎて、ただ人間関係が錯綜している様だけを見せられているところがあった。ただ7話ぐらいから本格的に超常ネタを盛り込んで、かつ最終話でそれをP.Aらしい青春ものとして着地させたのは素晴らしいと思う。特にP.Aは後半異常に失速する作品が多いので、前半はともかく後半で勢いを増したのは素直に驚いた。あとこの作品の感想でよく「文学」がどうのというのを見かけたが、少し「文学」という言葉を便利に使い過ぎだろうとは思った。

 

『東京喰種』 

 これも最終回ちょっとどうなのな作品だが、基本ずっと面白くスタイリッシュな作品だった。こういう伝奇テイストの作品は最近あんまない(気がする)ので、増えていけばいいなぁ。少々狂気描写が安直な気がしたが、疎外された者の孤独や苦悩といったものが、丁寧に描かれていて、楽しめたアニメだったと思う。新人声優も多数起用されていて、そういう方面で観ても面白いんじゃないだろうか。

 

『PSYCHO-PASS2』

 1期は好きだったけど、2期はダメという意見はよく見かけた。正直仕方ないとは思う。一つには暴力描写のミスかなと思う。ある種の「胸糞悪さ」は、計算してやっているとは思うのだが、敵サイド(とりあえずそう呼ぶことにする)の思想や精神が不明瞭であるせいで、それを理解していても普通にミスったように見えてしまう。あと毎回安売りみたいに大虐殺をするので、もう少し緩急つけないといけないんじゃないかと。「恐怖というものには鮮度があります」とキャスター先生が言っていた。全体としては、最終回以外、あまり1期のあとにこの2期がくる必然性を感じなかった。公安がぶつかる様々な事件のうちの一つぐらいのネタで、なぜ劇場版との間でこれを挟んだのかという疑問を禁じえない。別に色んなシビュラシステムの崩し方みたいなのはあってしかるべきなのだが、1期と劇場版をつなぐみたいな形でやられるとちょっとというやつだ。

 

『SHIROBAKO』 

 まだ1クール目だから何とも言えないが、今の時点ではかなりの出来だと思う。もともとこういうネタがダメだという場合は仕方ないだろうが、ストーリーの構成や毎回のひきもしっかりと考えられていてレベルの高い作品だろう。こういう作品は業界人が「あぁこういう状況あるよねぇ」となり、視聴者が「クリエイターはこうなのかあ」と思うという至極後ろ向きな楽しみ方に傾きがちなのだが、そういう程度の低い内輪ネタ話ではなく、きちんと話として面白く、観終わったあとに、「俺も頑張ろう」となれる前向きな作品である。またP.Aといえば青春ものというイメージを払しょくして、こういう新ジャンルのオリジナルを作っていくスタイルはとてもよいと思う(と思ったら、まただーまえとアニメ作ると聞いてガン萎えではあるが)。2クール目もこのままの勢いで頑張ってほしい。

 

 2014年は初っ端が自分のアニメの視聴スタイルを考え直すほど、合わない作品が多かったが、一年通してみれば好きな作品はそれなりにあった。ただ全力でドはまりみたいなのはなかった。去年もわりとそうだったけれど、ラノベアニメを観るのがだいぶしんどくなった。別にこれはラノベアニメに限った話ではなく、似たような内容のアニメを何度も観るのが苦痛になってきたのかもしれない。そして今年はけっこうかつて観た作品を観返したりした。改めて観ると、発見することも多い。こんなことを言ってると懐古厨みたいだ。だがしかし、今までと状況が変わったのなら、こちらもアプローチを変えてみて、そこから新たな展望を見つけられたらと思っていたりする。ともあれ、とりあえずお疲れ様である。