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『ハナヤマタ』11話~ハナのママはジョアンナたりうるか~

 いよいよ最終回も間近ですね。最終回近辺らしい、ハナが帰国するかも問題を描いています。1クールをある程度まとめるにはちょうどいい切り方なんでしょうね。

 

 このエピソードを観ていて、唐突に思い出した作品があります。もしかしてこれ結構似ているんじゃないか。そう思った人ももしかしたらいるかもしれません。そう、『クレイマー、クレイマー』です(あ、『ラブライブ』の話はしません、ごめんね)。

 

 『クレイマー、クレイマー』は1979年公開のアメリカ映画。仕事一筋のダスティン・ホフマン演じるテッドは、家事や育児を全部メリル・ストリープ演じるジョアンナに押し付け、仕事をしたいという彼女の意見に取り合わない。ついにジョアンナは彼に別れを切り出し、テッドは五歳の息子ビリーと取り残される。慣れない育児に家事にテッドは悪戦苦闘するが、徐々に息子との距離も縮まっていく。しかしささやかな幸せの時間も束の間、仕事を得、落ち着いたジョアンナが別れる際の条件を破り、息子の親権を要求してくる。クレイマー夫妻の、子供を巡る闘いが今始まる。

 離婚や親権について鋭く切り込んだ映画で、家族すら争う相手という現代の家族観を象徴してもいる作品です。また男女で感想がパカッと分かれるそうですね。男性はテッド擁護で、女性はジョアンナ擁護になるみたいです(上のあらすじがテッド目線に見えるとしたらたぶんそういうことなんでしょう)。さて、いきなりなんの話をしているかというと、『ハナヤマタ』におけるハナの家族の在り方が、クレイマー家と少し似ているような気がしたのです。

 

 ハナの母親はハナの父親と離婚していて、母親の仕事が忙しいためにハナは日本に来ました。そこでハナがよさこいを始めようとすることから『ハナヤマタ』は始まるわけです。そして物語後半になって家族の大切さに気付いた母親がハナを取り戻しにきます。つまりハナヤマタには、よさこい部とハナの母親の間でクレイマー夫妻の関係が成立していると言えます。『クレイマー、クレイマー』の場合、ジョアンナが出ていったからテッドと息子の関係が成長し、そしてジョアンナが戻ってきてその関係が崩壊の危機に直面します。『ハナヤマタ』の場合、母親の仕事の都合でハナが日本に来、よさこい部という関係が成長し、そしてハナの母親がやってきたことで五人の関係の変化が訪れています。ハナ・N・フォンテーンスタンドはビリーの立ち位置なわけです。

 

 勿論相違点もあります。『クレイマー、クレイマー』のテッドとビリーの関係が、状況からの要請による非常に受動的な展開であるのに対して、『ハナヤマタ』におけるよさこい部とハナの関係はかなり能動的です。またジョアンナは家庭→仕事というベクトルですが、ハナの母親は仕事→家庭という方向性です。またジョアンナと違い、ハナの母親はよさこい部を引き裂こうという思いはまったくないでしょう。当然ながら『ハナヤマタ』という作品は別に家庭問題を主題に扱った作品ではないので、この辺りの差異は生じます。むしろよさこいを通した青春ものにしては、起点となるハナの環境がストーリーから少し浮くぐらいシリアスなものだったということでしょう。

 

 映画と同じくよさこい部も徐々に母親側の要求に圧倒されていきます。『クレイマー、クレイマー』においてテッドに圧倒的に不利に働いた子の最良の利益」の原則は『ハナヤマタ』では「家族は一緒に暮らすべき」という価値観と言えるのではないでしょうか。その原則にテッドが反論できなかったように、よさこい部の面々もその価値観に抗うことができなかったのです。かくして映画をなぞるかのように、ハナは飛行機で飛び立っていってしまいます。

 

 『ハナヤマタ』世界観ではクレイマー夫妻のような「所詮戦うべき相手」という発想は生まれないでしょう。なんらかの解決策が最終回では(たぶんあっさり)提示されるでしょう。ハナの母親はジョアンナたりえない、そこが『ハナヤマタ』が『ハナヤマタ』の雰囲気を維持し続ける所以なのでしょう。最終回の展開、似た構造を持ったかつての映画のラストを思い出しながら楽しみにしている今日この頃です。

 

 

 

流石にキャラが外国人だからってこじつけすぎでは?

うーんでも比べてみるのって面白い気がして。