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『ハナヤマタ』1話、2話

 きらら系アニメにもう飽きたという人、いやそもそも苦手だという人にお薦めのアニメですよ。

 

 きらら系のアニメということで、ある程度の先入観みたいなものは持ってから観た気がします。そして見事に裏切られましたね、いい意味で。あんまりきららに詳しい人間ではないので、きららフォワードがどんな雑誌かも今頃知りました。

 

 きららのアニメは所謂空気系に属する作品が多いとされています。空気系には色々と要素がありますが、ここで取り上げるべきは「物語性の排除」というやつでしょう。『けいおん!』なり『ひだまり』なり、最近なら『ごちうさ』なり思い浮かべてもらえばいいんですが、これらの作品は特に明確なストーリーラインがあるわけではなく、なんでもない日常を描いていく作品群です。ある意味普通のストーリーへのアンチテーゼとも言え、考えてみればかなり異形な作品群です。好き嫌いはわかれるでしょうし、僕もどっちかといえば苦手です。『けいおん』が流行った時、アニメファンじゃない人が「けいおんって面白いか?」と言っているのをよく聞きましたが、この手のは割とハイコンテクストな作品なので元からこういうのが好きか、背景を理解してないと楽しめないと思います。明らかに薦めたやつが悪いです。

 

 そこで『ハナヤマタ』の話なのですが、1話には明確に空気系からの逸脱が見えます。要するにストーリーがあるんですね(さっき例に挙げた『けいおん!!』の2期にも実は逸脱があるように思います)。1話はヒロイン関谷なるが自分らしさを求め、ハナと出会い、よさこいに触れていくというストーリーラインですが、ここには「輝きたい」というテーマがありますよね。『花咲くいろは』というアニメが同じテーマをやっていましたが、あれを空気系と思う人は誰もいないわけで(たぶん)、そういうところからもこの作品の逸脱は見て取れると思います。

 

 たとえば『けいおん!』におけるバンド、並びに軽音楽部というのは平沢唯たちの日常を動かすガジェットであり、場であるわけです。『ハルヒ』のSOS団と本質は変わらないんじゃないでしょうか。『金モザ』のアリスやカレンは異国の人間であるという異質性から閉じて停滞した物語を動かすという意味を持っているにすぎません(一定人間関係が出来ているところから始まるのもその傍証かもです)。しかし『ハナヤマタ』の場合、よさこいというものは軽音楽部のようなガジェットではなく、関谷なるの自己実現の手段です。カテゴリとしては『Yes!プリキュア5』の夢原のぞみとプリキュアの関係に近いと思います。またこの作品におけるハナ・N・フォンテーンスタンドというキャラクターは閉じた一定出来上がった物語の起爆剤ではなく、零から始まる物語の起点となる存在です。そういう意味では『ハナヤマタ』はボーイミーツガールの構造を持っているのかもしれません(ボーイいないけど)。

 

 『けいおん!!』2期は2クール目ぐらいから卒業という要素が入り、循環する時間軸に限界が生まれました。そのため途中からは青春ものとしての側面が強くなったように思います。同じように『Aチャンネル』も、るんたちとトオルの学年の違いから、時間軸を導入してアニメはラストを迎えました(この2作が僕が最後まで観たきらら作品です)。『ハナヤマタ』もまた青春奮闘記としての明確な直線のストーリーを持っていて、循環型の空気系から離れるところがあるのです。

 

1話

 ヒロインの独白からキャスト陣の歌うOPが来たので、「またこれかぁ、最初の独白とかもほんとに最初だけなんだろうな」と思ったら、大違い。笹目ヤヤという存在を通して、「変えたい自分」を描き、そこから契機となるキャラクターハナを登場させる。悩むパートを経て、よさこいを掴む、という明確な流れがあって見入ってしまいました。まっすぐな青春ものですよね。メインストーリーも1話である程度示せていて、画面も綺麗です。また青春ものとしてシリアスな話をしながら、キャラをかわいく見せようという意志も感じられます。

 

2話

 嫉妬という、ともすればエグくなりがちなネタを適度にコメディを挟みながらリリカルで軽いテンポで描いていて、かつ青春ものとしてのシリアスは忘れてなかったです。1話を観てから次回予告を観て「リアル路線でいくのかな」と思いましたが、こういう雰囲気もありですね。1話が全編なるの視点だったので、ここで他人から観た「なるとよさこいの関係」が示すのは良いと思います。この話ではまだヤヤちゃんはなるが認めてもらいたい相手です。ヤヤちゃんが共に自己実現していく仲間となるのはいつ頃でしょうか。

 

 

 

蛇足:ツンデレってのを自分で言っちゃうのはどうなんでしょうね。そういう空気感があるのはわかりますが、この作品ってそんな雰囲気じゃないような。あとなるちゃん、鳴子知らなかったんですね。僕なんかは島木譲二さん(復帰待ってます)のネタとかで知ってたので意外でした。ヤヤちゃん嫉妬もいいけど青くなりすぎだよ、重症だよ……